2016年04月20日

サルガーリ短篇集

7月の文学フリマ札幌では、先に挙げたダリオ・トナーニ短編集とともに、もう1冊同人誌『月をめざして:エミリオ・サルガーリ短篇集』を頒布する予定です。

以前『二十一世紀の驚異』という本を訳したことがあるのですが、今回の同人誌は、同著者のエミリオ・サルガーリの二つのSF短篇「月をめざして(alla conquista della luna)」「流星(la stella filante)」を収録します。『二十一世紀の驚異』の訳者あとがきに、「(サルガーリの他のSF寄りの作品も)機会があればご紹介したい」と書いて、この2短篇のタイトルも挙げておきましたが、今回、同人誌という形ですが、ようやく実現できました。2短篇とも、サルガーリの想像する独特な飛行機械が登場します。

もう訳は出来上がっているので、予定通り頒布できそうです。50頁ほどの薄さになる予定。100年以上前に書かれた作品ですので、古典SF・プロトSF好きの方はお楽しみに。



ラベル: SF イタリア
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2016年04月13日

ダリオ・トナーニ短篇集収録作

ダリオ・トナーニ短篇集『明日は別の世界』(仮)の収録作を簡単に紹介しておきます。各タイトルはまだ仮のものです。

「赤い海泡石」(Schiuma rossa)
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2013年ロボット賞受賞作(雑誌『Robot』が毎年公募しているSF短篇賞。プロ・アマ、誰でも参加できる)。ドゥカティで囚人移送中の警官が立ち寄った村(元は海の底だった場所にある)は、夕方になるといつも現れる謎のプロペラ戦闘機の襲撃を受けていた。警官は拳銃を手に立ち向かう。未来の干からびたアドリア海を舞台にした、ウェスタン風の作品。以前に本プログでも紹介しました。
http://tsukimidango.seesaa.net/article/364671097.html


「歩く者、アブラーチェ」(Abrace il Camminatore)
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特殊な〈蒸気〉によって光と熱を与えられ、都市イリリオンは機能する。この都市に定期的に〈蒸気〉を補充していたアブラーチェは数十年前に姿を消し、今はその役目を商人ファレーナが引き継いでいる。だが今、アブラーチェが帰ってくるときが来た。ジェフ・ヴァンダーミア編のスチームパンク・アンソロジー『Steampunk!』のイタリア語版に収録。


「痙笑」(Risus sardonicus)
釘にとりつかれた兄と、その妹。山小屋で孤独に暮らす二人は、狂気の淵に落ちていく。幻想ホラー色の強い80年代の作品ですが、血肉と金属と錆というモチーフは、著者の今の路線にもつながります。1989年トールキン賞受賞作(イタリアの幻想短篇作品に与えられる賞)で、諸事情によりしばらく未刊行のままでしたが、2007年になってようやく出版社DelosBooksのWeb雑誌『Delos Science Fiction』101号(紙版もあり)に掲載されました。原文は以下のサイトで読めます。
http://www.fantascienza.com/9336/risus-sardonicus


「プラスティック都市のかけら」(Schegge di una città di plastica)
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クモの巣のように張られた無数のケーブルで吊られた都市。そこでは各人に重量制限が課せられている。都市の支柱やケーブルを掃除する作業員のミシャとステファンは、偶然見つけた古びた昇降機で下に降りていく…。吊るされた都市のイメージは強烈です。


「朝のほこりだらけの貝殻」(Le polverose conchiglie del mattino)
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自動車と人間の共生体〈ヤドカリ〉と、テクノロジーに敵意を向ける〈ノー・テック〉との熾烈な争い。その先に見えてくる異様な未来のヴィジョン。トナーニ節炸裂の一品です。

刊行をお楽しみに。

ラベル: SF イタリア
posted by こにりょ at 19:06| Comment(0) | イタリアのSF関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

当選

7月23日開催の文学フリマ札幌の出店の抽選が行なわれましたが、「イタリアSF友の会」は運よく当選し、参加できることになりました。というわけで、改めて告知。頒布予定の同人誌は、今のところ以下の通りです。

■ダリオ・トナーニ短篇集『明日は別の世界』(仮題)
文庫サイズ・250頁くらい・オンデマンド印刷
収録作:(邦題は仮)
「赤い海泡石」(Schiuma rossa)
「歩く者、アブラーチェ」(Abrace il Camminatore)
「痙笑」(Risus sardonicus)
「プラスティック都市のかけら」(Schegge di una città di plastica)
「朝のほこりだらけの貝殻」(Le polverose conchiglie del mattino)

『モンド9』を面白がってくださった方にはきっと面白がってもらえるのではないかと思います。短篇集タイトルはトナーニ氏の案を採用(『風と共に去りぬ』の台詞のもじり)。で、こつこつと翻訳を進めています。というわけでお近くの方も遠くの方も、よろしくお願いいたします。

ラベル:SF イタリア
posted by こにりょ at 00:11| Comment(0) | イタリアのSF関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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