2016年02月08日

ネット上で読めるDario Tonaniの短篇

インターネット上で、ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)のショートショートや短めの短篇がいくつか無料で読めますので、簡単にまとめておきます。

■Soldato Jordan(兵士ジョーダン)
http://www.fantascienza.com/13991/soldato-jordan

1979年刊行のDan Dastier著『L'antimondo di Vega』におまけとして収録。当時トナーニ氏は20歳頃というごく初期の作品。兵士ジョーダンが戦っている兵士はいったい…?戦争の不条理さが描かれている。

■Action Writer(アクションライター)
http://www.fantascienza.com/16057/action-writer

2012年の作品。この『Delos Science Fiction 141』のための書き下ろし。ミラノの夕暮れ。アパートの一室で黙々と執筆を行なっている作家。そして、屋根の上でそんな光景を眺めている者たち。彼らが手にしている物品は、どうもちぐはぐで……。読んでいくうちに「ああ、こういうことなのか」とわかって、ニヤリとさせられる。

■Silvestroscopio(シルベスター・スコープ)
http://www.next-station.org/fe-sty-d.php?_i=230

これは長篇作品『Infect@』『Toxic@』のスピンオフ作品(2011年)。これらを読んでいないとわかりにくいと思いますので、設定を簡単に説明しておきます。近未来のミラノでは、特殊な光学ドラッグが大流行。でもそれには、カートゥーンのキャラクターが実体化してしまうという副作用があった(ロジャーラビットがもっと肉っぽくなった感じを考えてもらうとわかりやすいかも)。そんなわけで、さまざまなキャラが、奇妙な肉質の体を持ち、そこらじゅうに溢れかえってしまう。キャラはしゃべれないが、コミックのふきだしのようなものを使って人間とコミュニケーションが取れる。また、キャラの肉体にはセル画(“胎盤”と呼ばれる)が埋まっていて、それを取り除くと、その肉体はぶよぶよになって、キャラは死んでしまう、といったことが基本設定。

この短篇「Silvestroscopio」(シルベスター・スコープ)には、ルーニー・テューンズのキャラクター、シルベスター・キャットが登場。胎盤処理施設に忍び込み、積み上げられたカートゥーンキャラの死体を漁っているひとりの少年。お気に入りのキャラであるシルベスター・キャットの死体を探している。カートゥーンキャラの抜け殻の中に(着ぐるみのように)入ると、カートゥーンキャラの視覚で外界を見ることができるからだ。ようやく見つけ、ひどい腐敗臭のする年老いたシスベスターのぶよぶよの抜け殻の中に入るが、警備員に見つかってしまい……。カートゥーンキャラの目に映る世界の表現が面白い。

■Tauromachia(闘牛)
http://www.minuticontati.com/tauromachia-tonani/

Mondo9の二次創作アンソロジー『Tutti i mondi di Mondo9』(Delos Books, 2014年)の最後を飾る、著者自らによるわずか一ページのショートショートですが、ネットでも読めます。猛り狂った牛と〈継手タイヤ〉の一対一の決闘。観戦する観客の熱狂と興奮。機械の描写なのか肉体の描写なのかわからなくなる、まさにMondo9の世界。


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ほかにもいくつかありますが、そのうちに。


ラベル:SF イタリア
posted by こにりょ at 15:14| Comment(0) | イタリアのSF関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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